世界的に金利がさらに上昇すれば新興国からの資本逃避リスクが高まる。IMF見解

IMF
国際通貨基金(IMF)は4月9日、何年にもわたる低利の与信で新興国の企業や国家の債務が膨らんでいるため、世界的に金利がさらに上昇すれば新興国からの資本逃避リスクが高まるとの見解を示しました。




IMFの金融・資本市場担当ディレクター、ホセ・ビナルス氏は、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融刺激策の円滑な終了を見込むものの、「多難な出口」となる可能性もあると指摘。

そうなれば金利が想定より急ピッチで上昇し、信用スプレッドが拡大、金融の不安定さが増す恐れがあると述べました。

ビナルス氏は、IMFが先に一部を公表した世界金融安定報告(GFSR)の残りの部分の発表に当たり、「新興国は資本流入や容易な国際市場へのアクセス、低金利といった状況が長期間続いた後だけに、外的金融環境の引き締めから特に痛手を受けやすい」とコメントしました。

先進国での長年にわたる低金利を背景に、世界の投資家は高成長を遂げる新興国で高利回りを追求しています。

IMFによりますと、先進国からの新興国への投資は2013年末までに推定1兆5000億ドル(約153兆円)に達しました。

新興国の企業債務は2009年から2013年に3倍に増加し、中国やハンガリー、マレーシアなどの諸国の債務水準は国内総生産(GDP)比で100%以上に達しています。

そうした債務の大部分は海外投資家に対するもので、インドやトルコなどの国々では企業の非居住者に対する債務の割合が25%を超えており、通貨変動に対して一段と脆弱(ぜいじゃく)になっているとIMFは指摘しました。

成長鈍化見通しは企業収益や債務返済能力を圧迫しつつあります。

ビナルス氏は「金利上昇や業績不振、為替レートの下落が新興国企業のバランスシートに極めて大きな圧力をかける恐れがある」と述べました。

IMFはユーロ圏については、欧州中央銀行(ECB)による銀行システムの審査を受けて「バランスシートの断固たる浄化と存続不能な銀行の整理」が行われる必要があると論じました。

米国に関しては、「利回りを追求する動きが強まり、企業部門でレバレッジが拡大し、一部のクレジット市場では与信基準が弱められている」と指摘。

「市場の流動性低下に加え、償還リスクに比較的弱い投資手段の急成長により、金融や経済の衝撃が増幅する可能性がある」と予想しました。


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