ゴーストタウン化する地方都市。日本と中国の相違点とは

中国のゴーストタウン
中国の地方政府は、息のかかった建設会社に資金を融通し、国有の土地を転売することで都市化の発展を主導してきました。




中国の今日の発展は融資と投資がもたらした乱開発です。

開発時に正当な評価からかけ離れた担保設定が行われたため、不良債権問題が次第に湧き上がってくることでしょう。

すでに破産適用レベルの地方政府があるのですが、地方政府の財政破綻の明確な定義がないため事態を曖昧にしてしまっています。

デベロッパーには「いざとなったら中央政府が必ず手を打つはずだから地方都市は破産などしない」という妙な自信がありますので、さらなる住宅建設が進められようとしています。

中国には「民」という概念自体が欠落していますので、企業も国民も「官」が書いたシナリオの上をひた走ることに慣れきっています。

たとえそれが誤っていようとも、それが取り返しのつかないことになろうとも、疑問を抱かずに突き進むのです。

「官」は、たとえそれが誤った結果を招いても、曖昧に処理し、隠蔽し、開き直ります。

今後も官主導の「箱物開発」が続くでしょう。

その先に待っているのはまぎれもないゴーストタウン化です。

「民」不在の国土の荒廃はもう誰にも止められません。

日本でも「空き家」や「跡地」問題は深刻です。

地方都市は言うまでもなく、いまどきは都市部でさえ「シャッター街」は珍しくありません。

団地の空洞化も深刻です。

約60年にわたって住宅供給を続けて来た都市再生機構(旧・日本住宅公団)は、戦後の住宅不足の解消のために不可欠な公共政策でしたが、旧公団は住宅の供給が充足した後も事業を存続させ、組織を肥大化させました。

そしてバブル崩壊を経て少子高齢化を迎えた今、巨大な負の遺産を背負うに至っています。

現在の都市再生機構のストック(約77万戸)はだぶつき、削減、再編が求められています。

その一方、特殊法人(現在は独立行政法人)という曖昧な位置づけは組織を不透明にし、腐敗の温床となり続けた結果、2012年時点で13兆円もの有利子負債を抱えるに至っています。

多くの工場跡地の出現も、地方経済に打撃を与えていますが、経済産業省の「再生」の取り組みを阻む問題があって消極的になりがちです。

その問題の一因となっているのは、「行政が私有地の処分と活用に介入できず再開発を進めにくい」という点です。

国や自治体が主導して再開発をしたくとも、所有者が土地を離れてしまっているために権利移転を不可能にしているケースが多いのです。

使用・収益・処分のすべての領域において自由が保障される日本の「絶対的土地所有権」のあり方は、今後問われることになるでしょう。

地籍調査も同様です。

地籍調査で確認する土地の境界は、土地資産の基礎となる重要な情報です。

しかし、土地所有者など関係者が立ち会いのもと、双方の合意の上で土地の境界を確定するという「面倒くささ」から、地籍調査の進捗率は50%未満と先進国でも異例の低水準となっています。

所有者の所在が分からず、棚上げになる例も少なくありません。

これでは次世代に土地を引き継ぐことができず、日本の国土はどんどん荒廃する一方です。

中国では「民」の概念がないために国土が荒廃し、日本では「民」の力が強すぎて国土が荒廃しているという、なんとも皮肉な比較検証となりました。


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