言行不一致症候群という間違った焦点を正しく整える方法とは?

マルセル・プルースト
私たちは今、インターネットやモバイル機器の急速な進化によって、名言や成功哲学、一流の人の映像やスピーチを、いつでもどこでも見たり聞いたりできる素晴らしい情報環境に暮らしています。




これはもう人類史上最高の知的環境ではあるのですが、同時に進行しているのが、知っていることに行動がついていかない言行(げんこう)不一致症候群なのです。

『一般的な言行不一致症候群の例』

・たくさんのことを知っているけれど、できるわけではない。
・たくさんのことを知っているけれど、実現したことはない。
・理論は知っているけれど、実感したことがない。
・頭で分かっているけれど、腑に落ちていない。
・いいことを言っているけれど、行動が伴わない。

たとえば、ビジネスの現場で良く聞く言葉に、「戦略」「戦術」「戦力」「囲い込み」「ターゲット」という戦争用語がありますが、それは一体、誰に向けた言葉なのでしょうか。

様々な場面で、経営者やマーケッターが叫んでいるスローガンは、

・顧客満足が大事
・お客様の声を聴け
・顧客第一主義

しかし、実際に社内で頻繁に使われている言葉は、

・客を囲い込め
・顧客戦略
・客を落とせ

言っていることとやっていることが違う人は、世間的には「言行不一致」「不誠実」などと認識され、嫌われます。

戦略、戦術、戦闘力などの戦争用語は、やる気を鼓舞する効果はあるのかもしれませんが、ビジネスで顧客相手に使うには疑問が残ります。

戦略というのは基本的に勝者と敗者を決めるために存在する行為です。

では、売り手と買い手どちらが勝てば、継続的な関係が構築できるでしょうか?

少し考えれば分かりますが、どちらが勝っても、持続可能な関係は作れません。

売り手側が勝ち続けたら、顧客が離れていき、やがていなくなります。

かといって、買い手側が勝ち続ければ、売り手側が疲弊(ひへい)し、事業を続けられなくなります。

戦争の知恵をライバル企業との生存競争で活用するのならまだ理解できますが、顧客に対して使う言葉としては、明らかにNGです。

悪徳企業が確信犯で使っているというよりも、まともな企業の善良な経営者や社員が無意識に使っているという現状が、最大の問題だと思うのです。

言葉は音であり振動ですから、物理学的には同じく振動する原子の集まりである人という存在に、音叉(おんさ)の共鳴現象のように影響を与えます。

つまり、戦争用語を使うたびに、顧客に宣戦布告しているのと同じ結果になってしまうのです。

売る側が、その気はないにしろ戦争用語を使っていれば、買う側は直感でその気配を敏感に察知します。

顧客に喜びを提供するビジネスで繁盛したいのであれば、大至急、言行一致の言葉に焦点を整える必要があります。

「戦略」の代わりに「脚本力(シナリオ)」
「戦術」の代わりに「演出力(プロデュース)」
「戦闘力」の代わりに「演技力(パフォーマンス)」
「ターゲット」の代わりに「共演者」
「客を落とす」の代わりに「顧客と共演する」
「売り込みに行く」の代わりに「ファンをつくりに行く」

言葉の焦点を最適に整えるだけで、創造されるアイデアが全く変わってきます。

フランスの作家マルセル・プルーストは言いました。

本当の発見の旅とは、
新しい土地を探すことではなく、
新しい目で見ることだ。


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