最近、何かと話題の糖質制限ダイエット。簡単に体重が落ちる!という評判も聞きますが、中には体調を崩してしまう人も。いったい健康にいいのでしょうか?悪いのでしょうか?

昔、教科書で習ったミトコンドリアって覚えてますか?実は細胞の中のミトコンドリアが脂肪をエネルギーに変えてくれるため、糖質を制限すると自然とやせていくのです。1年で10㌔以上やせた!なんていう人も少なくありません。

でも、このダイエット法には落とし穴も・・。体重が減るからと、安易に糖質を制限し過ぎてしまうと、あっという間に筋肉が落ち、体調不良になる可能性があります。糖質を減らした分はタンパク質や脂質で補い、必要なカロリーは確保しなければなりません。

どのような食事をすればいいのか?専門家お薦めのメニューもご紹介します!

安全な糖質制限ダイエットのポイント

ポイント1 ご飯やパン、麺類などの主食を減らすめやすは普段の半分ほどまで。

これは番組で紹介した「ケトン体」を出しすぎないためです。「ケトン体」は糖質の量を普段の3分の1以下にしたあたりから 体内で増え始めます。
(1日の糖質摂取量を日本人平均の270gほどとした場合の計算です。)

「ケトン体」はその安全性について、まだはっきりとはわかっていないため、番組では「ケトン体」が出ない程度のゆるやかな糖質制限をおすすめしています。

ポイント2 糖質を減らした分、タンパク質、脂質をしっかりと食べること

日本人はカロリー摂取の大半(およそ60%)を糖質に頼っています。そのため、糖質を減らすと、摂取カロリーも大きく減ってしまいます。そこで、タンパク質、脂質をしっかり食べ、カロリーが減りすぎないよう にしましょう。
タンパク質と脂質は、肉・魚・大豆などをバランス良く食べることで、 摂取することができます。 基本的には満腹感を感じるまで、タンパク質、脂質を食べてOKです。 (タンパク質・脂質は満腹中枢を刺激する物質を分泌するので、 食べすぎになりにくいことが分かってきています)

ポイント3 食物繊維をしっかりと食べること

米などの炭水化物は食物繊維を多く含むため、制限すると食物繊維が不足しがちです。そこで、緑黄色野菜やきのこ、海藻類など食物繊維を多く含む食品を 意識的に摂取するようにしましょう。

ポイント4 3食バランス良く糖質を減らす

例えば朝は全く食べないで、昼は普通に食べるというような極端な方法でも 1日のトータルでの糖質量を減らせばダイエット効果はあります。しかし、3食バランス良く減らすほうが、血糖値の上下動を抑えることができるので、さらにオススメです。

ガッテンおすすめ!糖質制限ダイエット メニュー例

今回紹介した 1日の糖質制限ダイエットメニューの一例を紹介します。あくまでも、糖質、脂質、タンパク質の割合の大まかなめやすとしてご覧下さい。(味付けの調味料等は省略しています。お好みでご使用ください)

【朝食】

  • パン…食パン8枚切1枚、無塩バター8g
  • ソーセージのスープ煮…ソーセージ40g、たまねぎ30g、エリンギ50g、キャベツ100g
  • 牛乳…普通牛乳200g

糖質制限ダイエット メニュー 朝食

【昼食】

  • ご飯…白米70g (※茶わん1杯が150g)
  • 豚もも肉のソテー…豚もも肉90g、キャベツ50g、トマト50g、クレソン10g
  • マグロのチーズ焼き…マグロ100g、チーズ15g、たまねぎ30g、赤青ピーマン10g
  • きゅうりのごま酢あえ…きゅうり100g、もやし50g、ごま5g

糖質制限ダイエット メニュー 昼食

【夕食】

  • ご飯…白米70g (※茶わん1杯が150g)
  • 鶏胸肉の薬味ソースかけ…鶏胸肉80g、薬味ソース30g
  • 高野豆腐の煮物…凍り豆腐9g、さやえんどう6g、板こんにゃく40g、かつお昆布だし100g
  • 白いんげん豆のサラダ…いんげん豆35g、セロリー30g、トマト15g、パセリ1g

糖質制限ダイエット メニュー 夕食

糖質制限や抗糖化など、最近、さまざまなダイエット法が健康に良いと注目を浴びていますが、本当のところはどうなのでしょうか。

糖質は糖尿病の原因とされ、なるべく血糖値を上昇させない、糖質を制限するという食べ方が注目されています。その昔は、血糖値を上げないためにインスリンが十分に出せることが良いと考えられていましたが、今はインスリンを多く出し過ぎるのも身体にとってはリスクになるので、なるべく血糖値を低く保てるように、糖質を制限してしまったほうが良いと思われています。それが糖質制限ダイエットの基本的な考え方になっています。

そして、抗糖化というのは糖が血中に長く存在することでタンパク質と結合し、その最終糖化産物が老化を促進してしまうことから、GI値(グリセミック・インデックス)の高い白米ごはんや、白パンなどの糖質の多い食品を避け、GI値の低い食品が推奨されています。

では、この糖質や炭水化物は、身体にとって必要ない物なのでしょうか。

それは明らかに違います。炭水化物、脂質、タンパク質は生きていく上で必要なエネルギーになることから、3大栄養素といわれていますし、それぞれに特徴があり、今の栄養学では、これらをバランス良く摂取することが重要とされています。

「糖質・炭水化物=悪者」となった背景

それでは、なぜ糖質や炭水化物がここまで悪者になってしまったのでしょうか。

基本的に食べ物のなかった時代には、肥満者は存在しませんでした。エネルギーは使った分だけ食べるような食習慣だったと想像できます。そして、少しずつ飽食の時代となり、肥満が裕福の象徴だった時期もありましたが、逆に健康リスクにつながるという数多くの報告から、肥満が良くないという認識が定着しています。

そして、肥満の原因はカロリーの摂り過ぎであるため、体重を減らすため1グラム当たり9キロカロリーと、もっともカロリーの高い脂肪をいかに摂取しないようにするかが、ダイエットの主流であった頃があります。

しかし、脂質を制限してしまうと、今度は糖質の摂りすぎの問題が浮上してきました。逆に糖質を制限しすぎると、脂肪やタンパク質でエネルギーを摂取しなければならなくなり、食事のバランスが脂肪やタンパク質に偏ってしまうため、また別の問題が浮上してくるように思います。

現に、糖質制限食を実践されている人で、動脈硬化のリスクが高くなるという海外での論文報告がありますし、高タンパク質食でもエネルギー過多の問題や、タンパク質が分解された後、体の毒素となるアンモニアを無毒化し体外へ排泄させるため、肝臓や腎臓への負担が懸念されます。

要するに、エネルギーは必要な量を摂取すれば問題がなく、炭水化物、脂質、タンパク質は、それぞれの役割があるため、ある一定量は最低限でも必要で、それらを最適なバランスで摂取する事が理想だと考えます。

栄養バランスの黄金比率

現在、国が推奨している日本人に適している栄養バランスは、炭水化物50~65%、脂質20~30%、タンパク質13~20%となっています。

主食 主菜 副菜

これを見た目の食事バランスでわかりやすく表現すれば、図のようになります。このとき注意が必要なことが、主菜は基本、肉や魚、卵や大豆製品のこと、副菜は野菜が中心で1皿70グラム以上あれば十分です。脂質摂取にかかわるポイントとしては、4皿のうち脂質を使用してよいのは2皿まで。主菜には必ず脂肪が含まれていますので、残りの主食を含む3皿のうち、2皿はお浸しや、味噌汁、和え物など、まったく油を使わない調理法にすれば良いと考えます。

そしてエネルギー量はご飯で調整。活動量の多い人は、ごはんは多めでも問題ないですが、活動量が少ない人では100グラム程度のごはんでも十分な場合があります。

このとき、主に糖質は主食である ごはんに多く含まれますが、副菜や主菜の食材や使用された調味料にも、含まれますので、どのような食材が使われ、どのような調理をされているかを理解することが重要です。

健康的にバランスよく食事をしたい方は、極端な制限食を実践するのではなく、3大栄養素である炭水化物、脂質、タンパク質の黄金バランスを崩さずに、活動量に適したエネルギー量を摂取することをお勧めします。十分な野菜や適量のタンパク質をバランス良く摂取する事で、糖質や脂質の吸収リスクも避けられますし、体内で働く酵素や補酵素としての栄養素も、しっかり体内に入ることが可能となります。

体質改善をしたい方や肥満を解消されたい方は、まずご自身が食べられている食事の内容を把握することから始めてみましょう。

糖質制限食の落とし穴

糖質制限ダイエットは、「効果あった!痩せた!」という人がいる一方で「最初の数週間は一気に痩せたけど、それからはいくら食事量を減らしても痩せなくなった」「確かに効果はあったけど、体調が悪くなった」という人がいるのも事実です。

特に、女性ホルモンのサイクルで心身が変化しやすい女性の方がダメージを受ける傾向にあります。糖質制限ダイエットに限らず、どんなダイエット法も、良い側面だけではなくデメリットの側面も見ることが、ダイエットを続けるコツです。体を壊して健康を失ってしまったら意味がありませんよね。

糖質制限の良い側面と注意するべき側面をしっかり認識して、上手に生活の中に取り入れていきましょう。

糖質は最も必要な栄養素

ご飯やパン、麺類など主食になる炭水化物や、芋類、果物、お菓子には糖質が含まれています。糖質というとダイエットの敵と見なされがちですが、糖質は人間が最も必要としているエネルギーです。

車で言うエンジンの役割をしていて、体を動かしたり何かを考えたりするのにも糖質がそのエネルギー源となってくれています。1日の食事の総摂取カロリーのうち、糖質:脂質:たんぱく質は60:25:15の割合で摂るのが望ましいと言われていますが、この比率から見てもわかる通り、本来、糖質は食事の中で最も摂るべき栄養素なのです。ただもちろん、食べ過ぎれば過剰分の糖質は体内で脂肪へと変化してしまいます。

糖質が体に必要な栄養素であることよりも、糖質は脂肪になるという面だけがクローズアップされていることで、世のダイエッターは糖質に怯えるようになってしまいました。

糖質の摂り方に問題があるから太る

確かに過剰分の糖質は脂肪に変わりますが、反対に言えば、糖質の摂取量が適量であれば、食べたものがすぐにエネルギーとして使われるので脂肪になることはありません。

それなのに現代人が「糖質は太る」というイメージを持ってしまったのは、知らず知らずのうちに食事が糖質中心になってしまったことで体重がどんどん増え、それが、糖質=太るという方程式を成り立たせてしまったようです。

しかしこれは間違いで、糖質が体を太らせるのではなく、糖質の1食に占める割合が圧倒的に高いから太る、という考え方の方が正しいことをまず理解しましょう。

朝はパンだけ、昼はパスタ、夜は牛丼、というように炭水化物に偏った食事になっていたり、糖質が多いケチャップやソース、チリソース、砂糖などの調味料をたっぷり使っていたり、野菜と言っても芋類やかぼちゃなど糖質の多いものばかりを食べていませんか?さらにジュースやお菓子を頻繁に食べていれば、糖質を過剰に取りすぎているせいで脂肪はますます蓄積されます。

糖質を適度に減らすとダイエット効果あり

全体の食事量は決して多くはないのに、知らず知らずのうちに糖質の多い食品を過剰摂取していることが多い現代人にとって、糖質制限を意識することはダイエットのためにも健康のためにも大切です。

朝食のパンを1枚に減らしおかずを増やす、昼食のパスタをやめておかずが多い定食に変える、夕食の牛丼大盛りをやめて、みそ汁やサラダも添える、というだけでも、通常よりも大幅に糖質の摂取を抑えられます。

また、糖質の摂取が減ることで必然的におかずの量が増え栄養バランスが整うことにも大きなメリットがあります。栄養バランスが整うということは、代謝機能が活発になって痩せやすくなるということ。適度な糖質制限はダイエットに有効なのです。

過剰な制限は冷えを招く

しかし、だからと言って糖質をまったく摂らないというのは返って体にマイナスの影響を及ぼします。糖質は体のエネルギー源になると同時に体の熱を作っているので、その熱の元が体からなくなるということは体が慢性的に冷えるということです。

実際、糖質制限を始めてから体が冷えるようになったと言う女性は多く、慢性的な冷えを強く感じる人ほど、食事量を減らしたり運動量を増やしたりとカロリー収支をいくらマイナスにしても体重が一向に減らないという傾向があります。

これは、体が冷えているため代謝が落ちていることが大きな要因です。また、糖質を制限することで必要なエネルギーを確保できないので、体は、糖質よりも大きいエネルギー量である脂肪を体にたくさん溜めようと、食べたものをいつも以上にたくさん脂肪に変えてしまいます。

これが、極端な糖質制限を続けると体重が落ちなくなる理由です。さらには、体が冷えることで生理サイクルが乱れたり止まってしまう人もいます。生理サイクルが乱れると代謝機能が落ちるので太りやすくなってしまい、これでは、何のために糖質制限をしたのか全くわからなくなってしまいますよね。

糖質制限はケースバイケースで行うのが正解

糖質制限は、適度に生活の中に取り入れるのが正解です。例えば、遅い時間まで飲み会に参加するときは糖質を摂らないとか、食べ過ぎた翌日は3食のうち2食は糖質制限するとか、生理前は過食してしまうので、その代わりに、食欲が低下する生理明けはご飯はいつもの半分にするとか。

1日外出する日は体をよく動かすので糖質をしっかり摂るけど、デスクワークや自宅で休日を過ごすなど活動量が少ない日は主食やお菓子を控えるなど、ケースバイケースで糖質制限を取り入れると、体のバランスを崩さずに代謝の良い体作りができます。

糖質制限を始めて体が冷えるようになった、という人は少しずつ糖質の摂取を戻していきましょう。ただし、お菓子などではなく、ご飯を。ご飯であれば脂質も含まないのでパンや麺類に比べて太る心配はありません。

適量は、1食で女性用茶碗に軽く盛る程度です。芋類、かぼちゃ、お菓子を多く食べた日はご飯の量をいつもより減らすなどして帳尻を合わせましょう。そして、体の冷えを改善するために、半身浴や岩盤浴など温浴で代謝も上げていきましょう。

筋肉が減少するという危険性

糖質を制限するということは食事から摂取できるエネルギー源が少なくなるということ。

体内の脂肪や筋肉をエネルギー源として使うことで活動できますが、脂肪が減ってくれるのは良いのですが、筋肉の減少は危険です。

筋肉が減ると基礎代謝量、すなわち何もしていない状態で勝手に消費されるカロリーが減ってしまうため、太りやすい体質になってしまうのです。

筋肉を減らさないようにしっかりタンパク質を補給しつつ筋トレもするのが良いでしょう。

脳のエネルギーが不足すると・・・

脳のエネルギー源となる糖質。

体内の脂肪や筋肉がスムーズに分解されエネルギー源になってくれれば良いのですが、急に糖質を制限した場合はうまく分解されない可能性もあります。

つまり、エネルギーが枯渇した状態になってしまうので、疲れやすくなったりめまいがしたり、ひどい眠気が出たりといったリスクがあります。

そのような際には無理をせず、糖質を摂取してしまったほうが良いでしょう。

急激に糖質を制限するのではなく、徐々に摂取量を減らすことでこのようなリスクは低減できます。

我慢しすぎてリバウンド

実はリバウンドの可能性が低くない糖質制限ダイエット。

大好きなご飯やパン、ラーメンが食べれないというストレスが溜まると、一気に爆発して恐ろしいことになります。

食事制限がストレスになると

食べるのが大好きな人にとって、ご飯やパン、麺類などの主食を食べれないことは結構なストレス。

甘いモノが好きな女性であればなおのこと、我慢に我慢が重なって、一気にドカ食いしてしまうケースは少なくありません。

対策としては徐々に糖質を制限していくことと、頻度を決めて、糖質を摂取する日を設けても良いと思います。

効果は大きいけどストレスも大きく長期は続かない方法よりは、多少効果が落ちても継続できる方法のほうが長い目で見て痩せられますからね。

リバウンドが大きくなりやすい糖質制限食

糖質制限で筋肉が減って基礎代謝も落ちてしまっている場合(筋トレなしで糖質制限ダイエットをした場合)

また一気に炭水化物をドカ食いしてしまった場合、リバウンドの振れ幅が大きくなってしまうのが糖質制限ダイエットの特徴。

それだけタンパク質のコントロールやストレス対策は丁寧にしないといけませんが、長く続けられる方法で、ゆっくりと確実に痩せていきましょう。

減らした分を何で埋め合わせるか、が重要

糖質制限食は、効果をすぐ実感できるのが嬉しいところですが、リバウンドには注意が必要です。糖質制限後のリバウンドの要因については、「文字通り、反動(リバウンド)で糖質を食べ過ぎた?」「インスリンの出方や効き具合が変わってしまったから?」などいろいろありそうですが・・・。ここは、一番リバウンドしにくいかった地中海食から学ぶべきことについて、考えてみることにしましょう。

地中海食群では摂取エネルギーの35%を脂質から摂っていいことになっていました。脂質制限食群の同30%より多いにも関わらず、おおむね良い結果が得られた要因は、摂取していた脂質の“質”の違いにあると言えそうです。魚に含まれるドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)、ナッツやオリーブオイルのオレイン酸といった脂質成分は、生活習慣病の予防に働く成分として知られています。

糖質制限を行う場合、減らした糖質の分のエネルギーを、何で補うかが重要と考えられます。肉よりも魚が多め、調理に使う油をオリーブオイルにする、間食はナッツ類にするなど、地中海食に学びましょう。

また、地中海食における糖質の“質”や食べ方にも注目したいところ。主食のパスタは、穀類の中では血糖値を上げにくい低GI食品。しかもトマトソースをたっぷりとまとわせたり、消化吸収をゆっくりにする油(オリーブオイル)と一緒にとるから、血糖値の急上昇が防げます。

塩分とり過ぎ注意

そしてもう一つ、糖質制限食を続ける上で気をつけたいのが塩分です。「ご飯を半分にして、空腹しのぎにみそ汁をお代わりした」「食後はスイーツの代わりにチーズを食べた」・・・。糖質制限という目的は達成できても、塩分の取りすぎにならないかが心配です。

生活習慣病の予防を目的に、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2010年版)で規定された1日の塩分摂取量の目安は、成人男性で1日9g未満、成人女性で同7.5g未満。みそ汁1杯追加したら、塩分は約1gプラスされます。プロセスチーズ1切れ(20g)は塩分0.6g。ダイエットには成功したけれど血圧が上がった、腎臓が悪くなった・・・なんてことになったら、大変です。