疲労感
ストレスなどから体を守るホルモンを出すのが副腎です。

左右の腎臓の上にある小さな臓器ですが、生命維持に不可欠な役割を持ちます。

ホルモンの分泌量が大きく増減すると、高血圧や体重減少など多くの体調変化を招く恐れがあります。

副腎の機能低下は慢性的な疲労感につながる例もありますので、副腎の基礎を知っておきましょう。

副腎は直径5センチメートル前後の大きさで、重さは5グラム程度です。

2つあるので病気などで片方を摘出しても基本的には問題ありません。

肝臓や心臓など他の臓器に比べると目立ちませんが、その働きは重要です。

副腎の主な働き

副腎は腎臓の機能を助けるのではなく、主に5種類のホルモンを製造・分泌しています。

体内では下垂体や甲状腺、肝臓などもホルモンを分泌していますが、副腎は日常生活を送るのに欠かせないホルモンを出します。

副腎のうち周辺の皮質という部分から分泌されるのはステロイド(副腎皮質)ホルモンです。

その代表であるコルチゾールはストレスから自分の体を守るのに必要なホルモンです。

ストレスを受けた時に分泌して血液中に放出し、体中に行き渡ります。

コルチゾールの過剰分泌でなる副腎の病気にクッシング症候群があります。

副腎や脳下垂体の腫瘍が原因です。

人によって症状が違い、顔のむくみや紅潮、ニキビ、腹部の肥満などの症状がみられます。

高血圧や糖尿病、骨粗しょう症などになる恐れがあります。

皮質から出る別のホルモンであるアルドステロンの過剰で起こる病気もあります。

原発性アルドステロン症で、副腎に腫瘍ができて高血圧などが起きます。

高血圧症の患者の10%程度がアルドステロン症といわれています。

副腎中心部の髄質から出るのはカテコールアミンです。

アドレナリンやノルアドレナリンがこれに分類されます。

この過剰分泌が褐色細胞腫を引き起こします。

髄質に腫瘍ができて起きる病気で、高血圧や血糖の上昇、頭痛、便秘などが起きることがあります。

ほかにも、コルチゾールの分泌が少なくなり発症するアジソン病などがあります。

副腎の主な病気

生活習慣病に副腎の病気が隠れていることもありますので、気になるのであれば診察を受けたほうが良いです。

さまざまな病気になる恐れのある副腎ですが、最近は一部のクリニックなどが「副腎自体が疲労する」という考え方を取り入れ始めました。

米国の専門家が唱えた概念で、精神的ストレスの積み重ねによる慢性的な疲労感や体調不良、性欲の減退、朝に起きられないなどの症状が当てはまるといいます。

順天堂大学の白澤卓二教授は「研究途上の領域だが、診断基準ができれば一気に該当者が出てくる可能性がある」と指摘します。

ストレスを受けた副腎がその対処のためコルチゾールを分泌し続けると副腎が疲弊してしまい、いずれコルチゾールを十分分泌できなくなるという考え方です。

コルチゾールが分泌できないと、さまざまなストレスと闘えなくなります。

これらの症状があっても普通は副腎の機能が低下していると気づきません。

うつ病や更年期障害を疑って心療内科などを訪れる人の中には副腎の疲労が考えられる人もいます。

副腎の疲労は採血などで判定します。

血液中のコルチゾール濃度を朝と夕方に測り、一定の値を下回っているか調べます。

この値とともに、全身の疲れがたまっているなどの症状が当てはまれば、副腎が疲労している可能性があります。

症状の緩和には、まず原因を取り除くのが大事です。

全身の疲労感が抜けないのであれば、不規則な生活を見直し、十分な休息や睡眠をとることです。

特に疲労感が強い時間帯に休みましょう。

また就寝前にスマートフォン(スマホ)を操作すると、画面からの青い光(ブルーライト)が睡眠を促すホルモンの分泌を妨げて睡眠の質を下げかねませんので、なるべく避けてください。

副腎をいたわるために食生活を見直すことも大切です。

副腎が疲れると不足しがちなビタミンCなどを多めに摂取するよう気を配りましょう。

一回の食事の中に炭水化物、脂肪、たんぱく質を取り入れ、バランスをとるのが理想です。

炭水化物は玄米などをお勧めします。

カルシウム、ミネラルなどの栄養素も症状の改善に良いようです。

一度、生活習慣を見直してみませんか?