国債破綻時のインフレで不動産を持っていると儲かると言われているけど本当?

不動産投資
日本国債の破綻(利払いが出来ない。償還の額が割引されるなど)が発生すると、インフレが発生します。そのインフレに対処するには、不動産を持っていると勝てる・儲かると言われています。本当でしょうか?




日本全体では、インフレ率上昇⇒地価の上昇、住居・ビル等の上物の価格上昇になります。しかしながら。全国一律に上がるのではなく、立地条件の良い地域がより上昇し、価値が低い地域の上昇は限定的になります。

サラリーマンの副業として、賃貸住宅を所有されている方たちは、インフレになれば家賃も上がるとお考えですが、契約内容によっては困難が伴います。日本の借地借家法は世界に冠たる、借地人・借家人が保護されている法律です。
ご自身が貸している貸家の賃貸契約書をご確認ください。定期借家契約であれば、契約満期日に立ち退いていただくことが可能です。それに合わせて家賃の交渉が可能となります。1年前から6か月前までに契約期間満了通知を行えば、立ち退いていただけます。
普通借家契約であれば、更新拒絶には正当事由が必要になり、家賃の値上げは極めつきの困難が伴います。これらを考慮しておかないと、マンション経営などは成り立ちません。

また、勤労者の生活は物価上昇率が高くなる過程で厳しくなりますので、家賃が高いところから低いところへの住み替えも発生します。空室のリスク及び賃貸料未納リスクが高まります。
前回の石油危機におけるインフレ率高騰の際には、給与の上昇も比較的短い期間で上昇が始まりましたので、社会的な混乱は少なかったのですが、国債破綻の場合には、同じような形態にはならないことが予想されます。

間違いなく上がるのは税金です。地価が上昇すれば、資産価値が上がらなくても、名目上の地価が上がり固定資産税の額が上がります。不動産を売却した際には、売却価格からインフレ前の取得価格(相続も含む)を引いたものが利益になりますから、そこに掛る税金も高額になります。売却が出来る不動産であれば、良いのですが、住まいなどは転居が困難ですから、固定資産税のみが多額になるだけです。

1942年~1946年に起きた日本のハイパーインフレの際には、都会では「持ち家」の方は少なく、長屋に住むか、家があっても借地のほうが多かったので、苦しんだのは地主さんでした。また、地方でも農地が多く、その農地は小作地ですから、税を負担したのは一部の大地主層で、農家の殆どは固定資産税を払っていません。
現在は総務省統計局家計調査平成24年によれば、勤労者世帯の持ち家率は約73%%ですので、サラリーマンの70%が固定資産税の高騰に苦しむと思われます。

持ち家の方たちで、一部住宅ローンがある方(総務省家計調査平成24年勤労世帯の37.4%)は、インフレ率上昇の際には、勝ち組になれる可能性があります。ただし、固定金利で借りている方達です。ご承知の通り、固定金利ですので、住宅ローンの返済額は変わりません。一方、給与等の収入はインフレに伴い徐々に上昇します。(インフレ率に合わせて収入が増えることは、過去にはありませんでした)。あくまでインフレ率(≒消費者物価指数)の上昇の後を追いかけるように収入の上昇が始まります。ただし、高インフレ率もいつかは終わります。それが収まった時には収入も増加している為、住宅ローン返済額の可処分所得に占める割合が低下するため、勝ち組に入る可能性が高くなります。

住宅ローン

一方、変動金利で住宅ローンを組まれている方たちは、インフレ率の上昇と共に長期金利が上がり、次いで短期金利も上昇しますので、ローンの返済額が上昇します。現在の可処分所得に占める割合は、総務省統計局家計調査平成24年によれば約19.5%ですがこの比率が維持出来なくなり、生活が苦しくなります。

住宅ローン

利益に掛る税は別として、国債破綻に際し、不動産での利益を求めるのであれば、分散投資の対象としてREITを検討されてはいかがかと考えます。REITは通常から借入金が大きく、金利高騰時には利払い金が上昇し、従ってREITの市場価格も下落します。その困難期を乗り越えれば、保有物件の時価が上昇し、賃料収入も増加します。従って、市場価格も上昇しますので、高インフレの対処法の候補としては有効な資産と考えられます。ただし、全てのREITが高騰するのではありませんし、倒産に至るREITも続発することが予想されます。銘柄選定には十分な研究をしておくことをお勧めします。もし、流動性を求めるのであれば東証に上場しているJ-REITも研究対象と考えます。個別銘柄でなければ、J-REIT指数に連動するETFが東証に上場されています。指数には倒産がありませんので、価格下落にリスク許容度が耐えられれば、上昇の可能性は高いものと思われます。


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