ローン返済
住宅ローン金利が空前の低水準になり、より少ない返済額でマイホームが購入可能になりました。

1992年に18歳人口のピークを記録した団塊ジュニアたちは、20数年経過してマイホーム購入適齢期に達しました。

投資家たちは、資産運用先を血眼になって探しています。

本来ならば、不動産が急騰してもおかしくない条件が揃っているにもかかわらず、かつてのような不動産バブルは起きていません。

いまアベノミクスによって起きている都心部の不動産上昇は、2007年前後のミニバブルよりもさらに規模が小さい「ミニミニバブル」と呼べる程度のものでしかありません。

一方で、人口が都心部から郊外に流出するドーナツ化現象が逆転するように、都心部の外周から不動産相場が崩壊する“逆ドーナツ化現象”が起きています。

その原因は、すでに日本において住宅が明らかに供給過剰に陥っていることによります。

総務省が5年ごとに行っている住宅・土地調査によりますと、2013年の住宅全国総数6063万戸のうち820万戸が空き家で、空き家率は13.5%と過去最高を更新しました。

20%を超えるのも時間の問題と言われており、野村総合研究所の試算によれば、2003年と同じ住宅着工件数・減失件数が続いた場合、2040年には空き家率が43%にも達するといいます。

日本の総人口は2008年から減少に転じ、ここ数年は毎年26万人という中規模都市と同じだけの人口が減少し続けています。

2015年からは世帯数の減少も始まるとみられています。

団塊の世代が本格的に老人介護施設やサービス付き高齢者向け住宅に入所する頃には街中空き家だらけの状態に陥ることは、もはや誰の目にも明らかでしょう。

そうした状況にもかかわらず、相変わらず旺盛な勢いで新築のマンションや戸建て、アパートが供給され続けているのですから、家余りに拍車がかかるのは無理もない話です。

いま議論されている空き家問題の焦点は、古くなって打ち捨てられた住宅を、“粗大ゴミ”として、いかに行政がサポートして効率的に処分させるかということです。

つまり、日本人が長年「貴重な資産」と認識していた不動産が、いまや家電製品や家具など一般の消費財と同じポジションになり下がってしまったことを意味しています。

どんな高級車でも、10年たてば買い取り価格は限りなくゼロに近づいていくのと同じように、家余り時代のマンションや戸建て住宅も、やがては資産価値が著しく下がっていきます。

そんな資産崩壊時代を上手に生き抜くには、できるだけ高額資産は持たないことです。

4000万円のマンションが20年後に半値になったら2000万円もの含み損を抱えてしまいますが、500万円のマンションは、たとえ資産価値ゼロになっても、ローン返済さえなければ家賃分の居住価値を享受し続けることができます。

しかしなんといっても、最もお得なのは激安賃貸住宅に住むことでしょう。

例えば、マンションは所有していても管理費・修繕積立金に固定資産税などのコストがかかり、これがバカになりません。

戸建てにしても定期的な修繕費は必要です。

冒頭の180万円の公団マンションの場合、管理費・修繕積立金だけで毎月約2万円かかることを考えれば、同種の部屋を家賃3~4万円で借りたほうがトクなのは間違いありません。

空き部屋は年々増える一方ですから、更新ごとに安い部屋に越していけば、それも可能でしょう。

頭金に500万円出し、さらに毎月10万円の住宅ローンを35年間払い続ける生活と比べて、どちらが豊かかイメージしてみてください。

いくら「素晴らしい家」を手に入れても、可処分所得が低いカツカツの生活では、楽しさも半減するでしょう。

その分のお金で家族旅行でもしたほうが楽しいではないでしょうか。

300万円の別荘を買って維持に苦労するより、一泊1万円の旅館に300泊したほうがお得なのではないでしょうか。

日本人もそろそろ“ハコモノ至上主義”の呪縛から解き放たれる時代がやってきたと思うのですが、果たしてあなたはどう考えますか。