上海の「自由貿易試験区」(FTZ)は香港に代わる国際金融の中心になれるのか?

上海自由貿易試験区
外資企業が相次いで撤退して中国経済が危機に陥っている中、李克強(りこっきょう)首相の強力な推進の下、上海の「自由貿易試験区」(FTZ)が設立されました。




外界からは中国共産党体制下にあるこの「自由貿易試験区」(FTZ)は、香港のライバルになりえるとは考えがたく、実際の効果も疑問視されています。

9月29日、貿易や金融などの規制を大幅に緩和する上海「自由貿易試験区」(FTZ)が設立され、当局は第1期進出の企業25社と金融機関11社のリストを発表しました。

しかし詳細は伝えられておらず、現在、外資系銀行もアメリカのシティバンクとシンガポール最大手のDBS銀行のみとなっています。

「自由貿易試験区」(FTZ)内の銀行は金利設定や外国為替取引でこれまでよりも大きな自由が認められますが、詳細はまだ発表されていません。

外貨が自由に「自由貿易試験区」(FTZ)内に流入すれば、規制当局は、厳しい規制下にある国内経済に、これが流れ込むのを防ぐために、「防火壁」を設けなければならなくなります。

当局者らは、「自由貿易試験区」(FTZ)内の銀行の預貸率を「最適化」するとしていますが、詳細は示しませんでした。

高い率になれば、銀行は人民元預金に対して貸し出しを増やし、成長を支援することができるのですが、中国の金融システムにより大きなリスクをもたらす恐れもあります。

そのほか、これまでに明らかにされたのは、これまで長い間禁止されていたゲーム機の生産・販売の解禁などで、外国企業は「自由貿易試験区」(FTZ)内でゲーム機を製造し、中国全土でこれを販売できるようになります。

外資による病院経営、エンターテインメント事業、船舶管理事業の認可も計画されています。

 
規制当局はまた、中国にはまだない原油先物取引市場の創設も計画されています。

「自由貿易試験区」(FTZ)内の証券会社や先物取引会社は、国内市場で商品(コモディティー)と金融デリバティブの店頭取引が可能になります。

中国は以前から、先物市場の自由化を約束していますが、今回の発表には具体的なスケジュールは示されていません。

北京中新社の元記者・高瑜(こうゆ)さんは、「自由貿易試験区」(FTZ)の将来性は楽観視できないとし、表面上では改革を推進し、自由化しているように見えても、実際利益を得るのは特権階級資本であると指摘しています。

今、外国の大手銀行の一部は国有銀行の地盤を崩せずに移転していますし、民営企業も失敗しています。

特権階級資本がすべてを掌握しているのです。

また、中国共産党の体制が変わらないかぎり、改革は空論であるとの指摘もあります。

この政治体制が変わらない限り、本質は何も変わりません。

経済面の改革だけでは不十分です。

さらに前に進むこともできず、健全な発展は不可能です。

上海の「自由貿易試験区」(FTZ)はメディアが報じているように、香港のライバルになりうるのでしょうか。

これに対し、専門家は独立司法と情報の自由が上海自由貿易区の致命的な欠陥であると指摘しています。

上海の地理的優位は香港を遥かに上回るものの、香港に代わる真の国際金融の中心になることはあり得ないと考えられているようです。


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