FOMC
米連邦公開市場委員会(FOMC)は米東部時間4月30日午後2時(日本時間5月1日午前3時)に政策声明を発表、2日間の会合を終えます。

今回はイエレン連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見も政策経路と経済に関する四半期見通しの発表もないため、盛り上がりには欠けるでしょう。

それでも、政策声明は常に変更されるものであり、微超整が加えられれば全てFOMC委員らの考え方についての手掛かりとなります。

5つの着眼点を以下に挙げます。

景気見通しに変更ないか注目

FRBが声明を大幅に変えることはなさそうです。

変更が加えられるとすれば最も可能性が高いのは、景気に関する表現ですが、景気見通しに手が加えられたとしても、わずかな変更にとどまり、FRBが発する全体的なメッセージはこれまでと同じである公算が大きいです。

3月の政策声明では、悪天候の影響もあって「経済活動が冬季に減速した」と述べました。

3月18日・19日の前回FOMC以降に見られた景気上向きの兆候を反映し、今回の声明では景気判断を上方修正するかもしれません。

例えば、直近の地区連銀景況報告(ベージュブック)の文言を借り、厳冬による悪影響を経て、経済活動は穏やか、あるいは、まずまずのペースで拡大していると述べる可能性もあります。

また、住宅市場の評価を引き下げるかどうかも注目です。

3月の政策声明では、住宅部門の回復が「引き続き遅々としている」ことを認めました。

3月会合以降、住宅活動はさらに減速しています。

インフレに関する文言は変更ない模様

ミネアポリス地区連銀のコチャラコタ総裁やシカゴ地区連銀のエバンズ総裁など、複数のFRB高官が低インフレへの強い懸念を示しています。

イエレン議長は4月16日のニューヨーク・エコノミック・クラブでの講演で、利上げ開始時期に関する判断を左右する主要要因の1つとして低インフレを強調しました。

FRBがインフレ指標として注目する米商務省発表の個人消費支出(PCE)価格指数は、伸びが22カ月連続でFRB目標の2%を下回っています。

それでも、イエレン議長を含む大半のFOMCメンバーは、インフレ率が徐々に上昇し、2%を回復するとみています。

従って、3月の声明では、FRBは低すぎるインフレ率が「経済的な成果に対するリスクとなり得る」と認識していて、インフレ動向を慎重に注視しているとしましたが、こうした文言を今回も声明に盛り込む可能性が高いです。

債券買い入れ縮小ペース維持の公算

FRB関係者らは政策声明でも公の場での発言でも、経済実績が予想通りである限り、債券買い入れ措置を年内の会合ごとに一定のペースで縮小し続ける計画であることを極めて明確にしてきました。

3月以降、景気は大きく崩れていないため、今回の会合でも毎月の買い入れを再び100億ドル減額し、450億ドルとするとみられます。

フォワードガイダンスも据え置き

FRBは前回FOMCで、短期金利の先行きに関する「フォワードガイダンス」を大幅に変更しました。

失業率が6.5%を下回るまで現在ゼロ近辺にある政策金利の引き上げは検討しないという文言を削除し、代わりに、利上げ時期の決定に際してはさまざまな経済指標を考慮すると記しました。

FOMC委員らが4月の会合で、このフォワードガイダンスをさらに変更したいと考えることはなさそうです。

つまり、債券買い入れ措置を終えた後も「かなりの期間にわたり」政策金利をゼロ近辺に維持する、との見通しを再び示すでしょう。

ただ、変更される可能性が高いとみられる箇所が1つあります。

3月の声明の7段落目が削除されることです。

この段落では、フォワードガイダンスの更新が政策意図の変化を示唆しないという点を強調していました。

3月会合の議事録では、投資家が最新の金利見通しと合わせ、このフォワードガイダンスの変更について、FRBが「タカ派」、つまり引き締め姿勢を強めつつある兆候と受け止めるのではないかという懸念からこの文言が加えられたことが明らかになりました。

市場は当初、FRBが利上げにより積極的になったと考えましたが、イエレン議長はその後の講演などで雇用市場のスラック(余剰資源)が引き続き見られると強調し、誤解を全て払拭(ふっしょく)したようです。

反対票を投じる委員はいるか

イエレン体制移行後初めて行われた3月のFOMCでは、コチャラコタ総裁が、数値基準を廃した新たなフォワードガイダンスは十分明確ではないとの理由で政策判断に反対票を投じました。

コチャラコタ総裁は会合後のインタビューで、この特定の議論について熟考すると述べ、反対票を投じ続けるつもりはないことをほのめかしました。

これは、今週のFOMCではイエレン議長下で初めて全会一致の政策判断が下されるかもしれないことを意味します。

しかも、FRBが政策金利を据え置きつつ債券買い入れ縮小を継続する中で、こうした流れはあと数カ月続く可能性があります。

利上げ開始時期に焦点が当たり始めれば、FOMCでの議論も活発化し、反対する委員が再び現れることは必至ですから、イエレン議長は、可能な間は平穏なFOMCを満喫すべきです。