欧州経済
スペインでは、景気後退(リセッション)に陥って以降、300万人以上が失業したことで年金保険料の納付が滞りました。

また、外国人労働者50万人以上が2010年以降にスペインを去り、その上、若年層の多くが職を求めて母国を離れていることも年金危機を悪化させる原因のひとつになっています。

スペインを含む、ポルトガル、アイルランドでは、2010年から2013年第1・四半期までに、労働年齢の成人人口が約2%減少していますので、将来、年金や高齢化による医療費を誰が負担するのかという問題が浮上しそうです。

スペインでは、低出生率と若者の海外移住、急速な労働力の高齢化という組み合わせによって、労働人口が減少する一方で年金受給者は増加するため、将来の年金受取額の減少に備えて国民は消費より貯蓄に向かうでしょうから、景気回復が阻害されて税収も落ち込むことが予想されます。

欧州経済を牽引しているドイツにしても過去1年で、国内の労働人口が7万人減少しています。

昨年の雇用の伸びは外国人労働者に流入によるものでしたので、経済成長見通しは暗いようです。

経済協力開発機構(OECD)の試算では、現在1.5%であるドイツの潜在成長率は、高齢化により2020年以降1%を下回る水準に低下します。

一方、フランスとイギリスは比較的明るい人口構成ですので、2050年までに経済規模でドイツを上回る見通しとなっています。

欧州委員会の推計では、欧州の雇用者数は2010年から2030年の間に500万人(2.5%)減少します。

高齢化に伴う支出と労働力の低成長、もしくはマイナス成長が重なれば、欧州の大半は破綻への道を突き進むことになるかもしれません。