ヨーロッパ経済、2014年の見通し

欧州経済
2014年のヨーロッパの経済は信用不安など世界経済の懸念材料を依然抱えているものの、明るい見通しが出てきています。




ヨーロッパ経済は、2010年にギリシャの財政問題が明るみに出てから下降傾向が続いていましたが、2013年の半ばから緩やかに持ち直しています。

EU(ヨーロッパ連合)の執行機関である欧州委員会が2013年11月に公表した経済見通しによりますと、ユーロ圏の経済成長率である実質GDP(国内総生産)の伸び率は、2013年にマイナス0.4%だったものが、2014年は1.1%と3年ぶりにプラスに転じました。

2015年には1.7%と、徐々に改善する見通しです。

失業率は悪化が続いていましたが、2014年は前年と同じ12.2%にとどまると予想されています。

この背景にはどのようなことがあるのでしょうか。

EUの中では元々、ドイツが「勝ち組」といわれ、EU経済を下支えしていましたが、ドイツ経済は国内需要などに支えられて引き続き順調に伸びる見通しです。

これに伴い、ベルギーやオーストリアなどドイツの周辺の国も回復が見込まれています。

ただ、不安材料も残されています。

日本銀行・黒田総裁は2013年12月に行った講演で、世界経済の不安要素の1つとして、「ヨーロッパでの債務問題や金融システム健全化への取り組みで不確実性が大きい」と指摘しました。

例えば、金融システムの健全化をめぐっては次のようなことがありました。

EUの財務相理事会は2013年12月、銀行が破綻した時にEUが各国に代わって一元的に処理することで合意しました。

銀行が破綻した際の処理を各国に任せておいて対応が遅れると、金融危機が拡大する恐れがあるためです。

しかし、ロイター通信によりますと、EU議会・シュルツ議長はこの制度を「誤りだ」と批判しました。

破綻処理を実施するには議会の承認がいることから、今後、調整は難航も予想されます。

また、経済が成長するには賃金の上昇にもつながる適度な物価上昇が必要ですが、2013年10月は目標としている2%弱を大きく下回り、0.7%となりました。

このため、ECB(ヨーロッパ中央銀行)は2013年11月、ユーロの政策金利を過去最低水準の0.25%に引き下げることを決めました。

金利を下げれば企業などが金を借りやすくなり、経済活動が活発になることを狙っています。

ヨーロッパ経済は全体として回復傾向にあるものの、回復の仕方では各国のばらつきも大きいことから、2014年はどう全体を底上げして不安材料を払拭できるかが鍵となりそうです。


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