国内ジーンズ最大手エドウインとグループ会社16社が倒産した理由と経緯

EDWIN
国内ジーンズ最大手、「EDWIN」ブランドで有名な(株)エドウイン(TSR企業コード:290779600、荒川区東日暮里3-27-6、設立昭和44年9月、資本金5600万円、常見修二社長)と、グループ会社28社のうち金融債務のある16社の計17社は11月26日、事業再生実務者協会に対し事業再生ADR手続きの利用を申請しました。




事業再生ADRとは、経営危機に至った企業が、民事再生法や会社更生法の申し立てによる法的手続きに替え、中立な第三者機関であるADR事業者の手によって、債権者・債務者間の話し合いをもとに自主的な整理手続きによって問題解決を図ることです。

また、グループ会社の(株)フィオルッチ(TSR企業コード:298613697、同所)は外部株主が存在することから、12月初旬に追加する形で事業再生ADR手続きを申請する予定です。

今後、事業再生実務者協会の審査を経て正式手続きが進められます。

エドウインは、国内ジーンズメーカー最大手、エドウィングループの中核企業です。

昭和22年、繊維製品を販売する「常見米八商店」として創業し、昭和44年9月にエドウインが設立されました。

いわゆる「アメカジブーム」を追い風としてジーンズメーカーとして業容を拡大し、昭和63年5月には製造部門を(株)エドウィン商事(TSR企業コード:295130784、同所)として分離しました。

国内グループ企業28社を擁し、生産拠点は東北を中心に12カ所あります。

エドウインのジーンズの特徴として、ペーパー・ブラシを用いてジーンズにヒゲを出したり、シェービングを用いて全体的な色落ち加工を施したり、ほつれを出すなどのダメージ加工が挙げられます。

デザインの特徴としては、ポケットのWのステッチ、EDWINロゴを大きく配した皮ラベルなどが挙げられます。

このデザインは1960年代のモデルから引き継がれているデザインです。

EDWINは1961年に日本で初めてデニム生地を輸入し、国産初のブルージーンズを販売しました。

1963年に「359BF」を発売しました。

1975年に中古加工の先駆けとなる「オールドウオッシュ」を発売しました。

1980年に「ストーンウオッシュ」を発売しました。

1981年に「ロンドンスリム」をドイツで発表しました。

1983年に日本国内販売第1位となりました。

1987年にリー・ジャパン(株)を買収しました。

1994年に「505」シリーズ(ニューヴィンテージ)を発売しました。

1997年に「503」シリーズ(ニューベーシック)を発売しました。

2001年に東洋紡との共同でZYLONの開発し、ZYLON-503を発売しました。

2008年の4月26日に日暮里駅前ビル「ステーションガーデンタワー」に日本最大の旗艦店「エドウイン・デニム・ギャラクシー」をオープンさせました。

エドウイン不振の原因として考えられること

グループで「EDWIN」ブランドを中心とするジーンズを製造、販売し、取り扱いブランドは「EDWIN」のほか「SOMETHING」、「C-SEVENTEEN」、「Gold Rush」などがあります。

「EDWIN」の「503」拡販に際してはハリウッドの人気俳優のブラッド・ピットを起用したことで話題になりました。

また、オリジナルブランドに加え、米国3大ジーンズブランドの一角を占める「LEE」、「Wrangler」の日本における商権を獲得し、売上高は卸売部門のエドウインが平成25年5月期で約261億円、企画・製造部門のエドウィン商事が平成14年1月期で約300億円をあげていました。

しかしユニクロなどのファストファッション全盛に加え、東日本大震災の影響などから近年の業績は伸び悩んでいました。

また、デリバティブ損失の発生なども噂されていました。

こうしたなか平成24年8月にグループの経理責任者が急死し、その原因が証券投資の失敗などによる200億円の損失隠しにあることが報じられました。

その損失発生に関連して、不適切な会計処理が行われていた可能性があるとして第三者委員会が設置され、これに伴い、グループ全体の動向が注目されていました。

その後、取引銀行による10数回にわたるバンクミーティングを開き経営再建策を模索していましたが、取引銀行の間でも意向の足並みがそろわず、再建計画の策定がなかなか進んでいませんでした。

一方、今年10月21日には都内で取引先約130社を集め説明会を開催しました。

席上では、エドウインのフィナンシャルアドバイザーである野村総研から、業績や資金繰りに問題がないことが伝えられましたが、具体的な再建策などについて詳しい説明がなく、関係先の間では困惑の声もあがっていました。

すでに返済の一時停止は行われていますが、今回の事業再生ADR申請は第三者的な検証を目的としたものです。

再建計画についても同様に検証されていく予定で今後、継続しているスポンサー選定とともにエドウィングループの再建に向けての動向が注目されます。


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