朱建栄教授にスパイ容疑 中国の言論統制が強化される

朱建栄
日中問題の論客としてマスメディアでも活躍している中国人学者、朱建栄・東洋学園大教授(56)が、中国内で違法な情報収集を行ったスパイ容疑で国家安全省当局の取り調べを受けていることが9月10日、複数の中国筋が共同通信に明らかにしました。




朱教授は7月17日に出身地の中国上海市を訪れた直後から50日以上にわたり消息を絶っています。

中国内で中国軍関係者らを対象に実施した学術調査に対し、違法行為の容疑が持たれているとのことです。

中国では、関係当局が影響力のある学者や活動家らを軟禁し「再教育」を行い、その後、解放するケースがあることから立件に至らない可能性もあります。

中国筋によりますと、朱教授は今年に入り、学術研究のため中国内で調査活動を実施した際、複数の中国軍関係者と面会し、軍事情報を細かく聞き、主に海軍関係の情報を収集していました。

この活動に違法な情報収集の嫌疑が掛けられているということです。

情報活動に詳しい中国人関係者は、尖閣諸島国有化に端を発した日中関係の悪化が続いているだけに、中国当局は朱教授の調査活動に、より過敏になっているのだろうと指摘しました。

 
朱教授は中国政治・外交が専門で、日本では千葉県に在住。上海市に実家があり、頻繁に中国を訪問し、今年2月の中国の春節(旧正月)の際にも長期間、上海市などを訪れていました。

 
日本でのテレビ出演などを通じた朱教授の最近の日中関係に関する発言に対し、一部の中国政府関係者が「目立ちすぎ」との認識を示したとの情報も出ていました。

 
朱教授の家族は「今も(本人と)連絡は取れていない」といいます。

中国当局による言論統制はネット上でも強化されています。

中国当局は新浪微博に12万人のフォロワーを持つネットユーザー“悍匪(かんひV)”さんを拘留しました。

理由はミニブログ(微博)でデマを流したとのことです。

「当局の目的は影響力のあるユーザーへの抑圧と口封じだ」とネットユーザーたちは見ています。

今年8月、湖南省で発生したバイクと乗用車の衝突事故で、バイクに乗っていた少年が現場で死亡しました。

事件後、悍匪Vさんがミニブログ上で、乗用車の運転手と警察が結託し、証拠隠滅の為に少年をプラスチックの網袋に入れて連れ去ろうとしたため、手当てが遅れ死亡したという情報を発信しました。

政府系メディアである新華社は、「この情報は広く転載され、2万以上のコメントが書き込まれ、悪影響を及ぼしたため、警察は“事実をでっちあげ、公共秩序を攪乱した罪”で悍匪Vさんに5日間治安拘留の処分を下した」と報道しました。

しかしあるネットユーザーは、報道に添付された写真から、事件はでっち上げではないことがわかるとし、死亡した少年の遺体を安置した霊堂や交通警察のパトカーには家族の悲痛な訴えが掛けられており、これらをでっち上げるのは不可能であると指摘しています。

政府の言う「デマ」が多く発生するのは、中国の政務、多くの公共の物事が不透明なことと関係があり、人々はかえって政府系メディアの報道を信用しなくなり、いわゆる民間のネット上の噂を信じます。

注意深いネットユーザーは、“悍匪Vさん”がいつも発信している内容はいずれも共産党官僚の腐敗や特権横行の暴露、または立憲政治や報道の自由を提唱するものであることに気づきました。

世論は、当局の目的は依然として、ネット上の有名人を抑圧することで言論を封殺し、ほかのネットユーザーをけん制することにあるとみています。


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