情報の非対称性、フレーミング効果、ヒューリスティックバイアス、リスク回避、リスク愛好

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自分が合理的に意思決定していると思っても実は相手に誘導されて決めていることもあります。




次の質問にあなたはどう答えますか。

あなたが命に関わる手術を受けるとして医師から説明を受けます。

A: 95%の確率で成功し助かる。
B: 20人中1人は失敗し亡くなる。

どちらの説明の手術を受けますか?

実はAもBも成功する確率は同じなんです。

良いか悪いかの判断するには基準が必要ですよね。

その基準をどこにするか、数字などのデータの見せ方を少し変えるだけで基準が変わってしまいます。

一般的な患者は医師が話す内容を素直に聞きます。

それは圧倒的に医学の知識が医師と比べて少ないからです。

これは「情報の非対称性」による「バイアス」で「フレーミング効果」が表れた実例です。

【情報の非対称性】
市場において取引をする者が持つ情報に差があること。

【バイアス】
偏見や先入観など人の意思決定に影響を与えるもの。

【フレーミング効果】
問題や質問の提示のされ方に心理的影響がはたらき意思決定が変化してしまうこと。

本来、医師は薬や検査において、絶対に必要なもの、念のために必要なもの、それほど必要でないものの3段階に分けて提供すべきなのですが、患者が医師を信用していることが災いとなって「過剰医療」になる傾向があります。

【過剰医療】
医学的に必要性・合理性のない治療を行うこと。
2012年には厚生労働省が指導にのり出した。

たとえば、骨折に対して2枚のレントゲン撮影で診断できる医師と5枚撮らないと診断できない医師がいれば、2枚だけで診断できた医師が名医なのに、5枚撮った医師のほうが検査費が高いにもかかわらず「丁寧に診察してもらった」と勘違いします。

したがって、患者は多く薬や検査を提供した医師を「良い医師」と評価し、「良い医師は儲からず、悪い医師が儲かる」という皮肉な結果をもたらします。

そこで最近では「情報の非対称性」が起こらないようにするために、治療とか検査について患者に十分説明をして、どういう効果があるかとか、副作用があるかとか納得してもらったうえで治療をするシステムのことを「インフォームド・コンセント」と言います。

【インフォームド・コンセント】
医師の専門知識に基づく説明に患者が納得したうえで治療方針を決定すること。

医師の意思決定にもバイアスはかかります。

多くの医師がインフルエンザの患者のあとに高い熱の患者が来ると「たぶんインフルエンザだろう」と思ってしまったり、過去に上手くいかなかった手術には抵抗があったりするそうです。

ゼロから考えるというのは面倒くさいことですから、経験に基づいて考えるほうが簡単で無意識に意思決定で「ヒューリスティックバイアス」を使っています。

ヒューリスティックというのは「近道」とか「手っ取り早い」という意味です。

【ヒューリスティックバイアス】
過去の経験に基づき、できるだけ少ない情報で意思決定を行おうとする心理的な偏り。経験則。

【重要】
人の意思決定は、さまざまなバイアスに影響されていると知ることが大切

A: 確実に9,000円もらえる。
B: 90%の確率で10,000円もらえる。

一般的に手堅くもらえるAが選ばれやすい傾向にあります。

これを【リスク回避】といいます。

A: 確実に9,000円失う。
B: 90%の確率で10,000円失う。

一方で、失うときは大きな損をする可能性があってもBにかけてギャンブルをしてしまうということを【リスク愛好】といいます。

「効果が高いけど副作用が強い薬」と「効果は低いけど副作用は少ない」とを患者に選ばせると多くが「効果は低いけど副作用は少ない」ほうを選ぶ「リスク回避型」です。

しかし、末期がんの状態で有効な治療がない患者だと、「副作用が強いけど新しい薬」を勧めたら、ほとんどが同意する「リスク愛好型」になります。

死という損失を避けたいがために、死に近い副作用を敢えて選んでしまうわけです。

死が目の前に迫ってからだと冷静に判断できませんので、元気なうちから考えておくことが大事のようです。

無意識のうちに意思決定において、いろんなバイアスがあるということを分かっていないと正しい判断ができないということです。


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