多様化するライフスタイルと市場の縮小

先生
ネットというと未だにリアルとは関係がないと思っている方は多いと思います。
しかし、実際にはその逆で、ネットでの言動がリアルに大きな影響を及ぼすことは度々ニュースになっています。
生徒
例えばどんなことですか?
先生
例えばバイトテロという言葉を憶えていますか? バイトが内輪での悪ふざけをTwitterに投稿したことがキッカケで次々と炎上し、フランチャイズ本部が謝罪する事態にまでなってしまいました。
他にも飲食店であればクーポンサイトや食べログのようなレビューサイトは売上と評判に大きく左右しています。
生徒
そう言われればそうですね。身近になりすぎて忘れてました。私も新しいところに行くならFacebookとか食べログをよくみますもの。

先生
ですよね。
例えば起業したい人も既に起業をして会社を持っている人も常に問題にしていることはなんだと思いますか????
 




生徒
やはり資金ですか?
先生
資金ももちろんですが、資金は増やさないといずれなくなりますよね。その資金はどこからきますか?
生徒
銀行?
先生
うん、まぁ外れではないんですが(笑) ではその銀行のお金はどこからきますか?
生徒
わたしたち?
先生
そうです。いわゆるお客というやつですね。お金はお客が払うことで増えます。
当然、資金もお客がお金を払えば増えていきます。
ではそのお客はどうやってみつけますか?
生徒
お店を作って看板を出します。
先生
えーーーっと(笑) うんまぁいいや。
ではお店を作って看板を出せばお客は来るんですね?
生徒
違うんですか?
先生
その理論だとお店があり看板があれば潰れることはない、ということになりませんか?
実際には大きな店舗と看板があっても潰れることってよくありますよね?
なにが原因だと思いますか?
生徒
あっそっか。そうですね。うちの近所の電器屋さんは向かいにライバルの電器屋さんができてしばらくして閉店してしまいました。ということは競争ですか?
先生
そうです。競争ですね。理論的に人口の流入と流出がない閉鎖空間においてお店がただひとつしかない場合はきっと大繁盛するでしょう。
しかし、お店と看板があれば人が来てモノが売れるのならば、ライバルがマネすればその市場から半分は利益を奪取できます。そして価格を1円でも安くすればお客のほとんどはライバル店に流れます。
マネしますか?
生徒
はい!
先生
そういうことなんです(笑)
お店が増えるということはそこに競争原理が働き、市場のパイは分割されていきます。
サービスが悪く価格が安ければ競争に負けてしまいます。お客が他店に流れるんですね。
そこでお店側が考えることはなんでしょうか?
生徒
えーっと競争に負けないようにするわけですから、ワタシだったら価格を安くしてサービスをよくします。
先生
それをなんというか知っていますか?
生徒
分かりません…。
先生
営業努力と言います。
競争がない場合は営業努力をしなくても人が来ますのでサービスは最悪です。
市場が自由化される一昔前の中国やロシアでは接客という概念がなく、売主がお客に対して圧倒的に優位に立っていました。「嫌なら売らない他所にいけ」だったんです。
しかし、他がなければそこに頼るしかないわけですから、サービスが悪くても我慢するしかありませんよね。
生徒
なるほど。ワタシは営業大嫌いです(笑)
先生
ですよね(笑)営業というのは企業側にとってみればコストです。このコストがなぜ発生するのかというと先程も説明した通りライバルがいるせいです。ライバルの強さと数に応じて営業強度は強くなるんです。
つまり、企業の最優先課題は営業なんです。
生徒
そう言えば文系大卒者のほとんどは営業職から始まりますもんね。
先生
はい。企業が新規採用をしてその人件費を賄うためには会社の売上でカバーすることになります。
よって新規採用された人間はまずは自分で自分の給与を稼ぐことを求められます。
昔のように一人前になるまで企業側が面倒を見ていられる余裕はなくなったので、営業スタートということが多くなっていますね。
生徒
ワタシも営業と事務職半々なんで大変さはよく分かります。
先生
逆に新規参入でも営業がめちゃくちゃ強ければあっという間に地域ナンバーワンになるんです。
営業が強いということはお客を引っ張ってこられる力が強いわけですから、あとはお客のニーズに合った商材を用意すれば100%売れます。
生徒
ですが?(笑)
先生
そう。「ですが」なんです。
今、顧客が透明人間化しているという話があるんです。それはなにかというと、どんなに強くタフな営業マンがいてもどこに顧客がいるのかが分からなくなっている、というんですね。
そこにいれば売り込みができるのでしょうけど、姿が見えないステルス状態なのでアプローチができないんです。
生徒
なぜ透明人間なんですか?
先生
おそらくは人々のライフスタイルが複雑化したからでしょうね。
モノが溢れ選択肢が増えた結果、ライフスタイルがカテゴライズできないほどに細分化されてしまったんです。
例えばアイドルを見てみて下さい。昔はトップアイドルが数人いるだけでしたが、今はどうでしょうか?
生徒
めちゃくちゃいっぱいいます!
先生
そうです。たったひとりのパーソナリティと偶像性ではもはや多様化したファンのニーズに応えられないので、分身したんです。神格化した神様を分割することを分霊といいますが、それと一緒です。
おそらく今は男の性癖の数だけアイドルがいてキャラ設定も取り合いになっています。
生徒
数撃ちゃ当たる?!
先生
まぁそんなところです(笑)
ライフスタイルが多様化するということは、ライフスタイル=商品ですから期待できる売上も小さいんですね。
100人いて100のライフスタイルがあったら、たった1人だけのライフスタイルに合わせた商品を開発しても買ってくれるのは1人だけということになり、元が取れないんです。
生徒
でもやっぱりみんなと同じが安心するんじゃないですか?
先生
そうです。「みんなと同じが安心する」というのは企業側の戦略なんです。
ライフスタイルが細分化すると市場が小さくなってしまうし、あまりにも集約化し過ぎても保守的過ぎて新商品が売れません。そこでどうしたと思いますか?
生徒
んーー分かりません。
先生
メディアコントロールです。
要するにライフスタイルをまとめるために新聞、雑誌、ラジオ、テレビといったメディアが「こういう生活ってステキじゃないですか?」「こういうあなたになってみませんか?」とか「本当のあなたはきっとこう!」といったコントロールをしていくわけです。
モデルはその名の通りモデルです。ファッションモデルやファッションリーダーといえばメディアがコントロールしたいファッション=売りたいライフスタイルを体現するお手本というわけですね。
生徒
ダイエットなんかもそうですよね。
先生
そうです。あらゆるコンプレックスは巨大な産業であって、メディアは今まで無かったコンプレックスを作り出す増幅装置なんです。
チビ、ハゲ、デブ、ブス、貧乳、巨顔、低学歴、低収入ときて、今やコミュ障という言葉で性格までコントロールしようとしています。情報操作されている人間が自分と同じ側の人間を叩くようになればコントロールは成功です。
生徒
あー分かります。ひどい話ですね。
先生
それが日本の空気と言えばなんとなく分かるかと思います。
そしてその空気には一貫性がないのです。次の年にはあっけなくガラリと変わったりします。
そういったことを繰り返していけば、その空気に馴染めない人たちは取り残されライフスタイルが細分化していくのは当然です。
生徒
どうして空気がガラリと変わるんですか?
先生
売らんがなのための空気ですから、メディアが新たに換気をすれば簡単に入れ替わってしまうんですよ。
空気が変われば古いタイプの人間は苦しくなりますよね。
そこで新しい空気を濾過するためのアイテムが売れるわけです。変わらなければ売れませんからね。必ず変えてきます。
生徒
でも、そうするとさっきの透明人間の話と矛盾するんじゃないですか?
メディアコントロールで人々のライフスタイルが変わるなら目に見えているはずだと思うんですけど?
先生
そうです。いいところに気が付きましたね。
目に見えていることと実体はイコールではないんです。
本音と建前というんでしょうか。例えば服装はいまどきの女の子の格好なのに、中身は急進左派なんていう子はたくさんいます。
Facebookで猫たんかわいいと投稿した次の日にはTwitterで中国人は人間以下!死ねキモス! なんてつぶやいて土日はデモに参加している人もいたりします。
生徒
ほんとですか?(笑)
先生
あと芸人のノリなんてのもありますよね。芸人でもなんでもない素人がダメ出しをするセミプロ化も進んでいます。テレビに芸人がたくさん出ているからかもしれませんが。
生徒
つまりメディアはコントロールできていないと?
先生
そうです。昔はできていたのでしょうが今はネットがあります。
細分化されたライフスタイルを持った奇特な人たち同士が、自分の属性にあった仲間と出会うことで独自に深化しているんですよね。
生徒
すごく分かります。
先生
例えばネット以外のマスメディアは基本的に情報が一方通行です。テレビに話しかける人はいません。そして、コンテンツごとに属性が想定されています。例えば、日曜日の夕方は家族が集まるだろうからほのぼのとしたアニメを流せば見てくれるのではないか、とかね。
生徒
サザエさんとちびまる子ちゃんですね。
先生
しかしネットは曜日とか時間は関係ありません。どこにいようと自ら望めば同じような考えを持った仲間を見付けることができます。ニュースなんかは今やネットの方が朝イチのニュースよりも早く、そして正確です。
場合によってはTwitterで実況している人もいたりします。
生徒
アングラ化してるんですね。
先生
変な言葉知ってますね。そうです。アンダーグランドに潜り込んでダイブしないと見えてこないディープな世界が多数広がっているんです。最近だとLINEを使った口コミがあります。
生徒
ありますね。
先生
LINEで彼氏彼女からの情報がもっともマーケティングに影響するなんてことも言われていたりします。
どこで何が行われているなんてまったく分からないですよね。
今では固定電話はおろかケータイやメールさえ使わずに、全てをLINEで済ましている人もいるぐらいです。
生徒
私もそうです。LINEは通話がタダだしグループトークもできて便利ですよね。
メールと違って履歴も残るし既読が付きますからね。メールソフトなんてほとんど開かなくなりましたよ。
先生
そうなると根本的に営業についてを考え直さないといけなくなるんですよ。
モノが売れる仕組みを解明する手法にマーケティングというものがあるんですが、自分の店にきたお客さんの来店理由をマーケティングするとひとつひとつが複雑過ぎて分析しきれない、ということが多々あります。
例えばSNSでまったく関係のない人が発信した情報にたまたま興味を持って来店をした、ということであれば再現性がないですよね。
生徒
なるほどー。宣伝していないのにネットのコミュニティで話題になってるってことありますもんね。
私も友達がFacebookで写真あげてるのを見て行ってみたことあります!
でも確かにそういうつかみどころのない来店動機が増えてるとして、どうやって調べるんですか?
先生
ひとつあるんです。それがビッグデータです。

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