もし北京の土地を全て売れば、アメリカの1年間のGDPを超える計算になる

北京
中国では最高価格を打ち立てた不動産物件を「地王(ちおう)」と呼びます。

2013年に入ってから、 「地王」争いは各地で展開し、北京の最新地王は、楼面(ろうめん)単価が1平方メートル当たり4.4万元(およそ70万円)に達しています。




上半期だけでも北京の土地総収入額は664億元を超え、もし北京の土地を全て売れば、アメリカの1年間のGDPを超える計算になります。

“ゴーストタウン”がますます増え、各地の不動産空室率も非常に高くなっている一方で、“地王”の最高価格は更新され続けています。

このような奇妙な現象の裏にある原因は一体何でしょうか。

中国の大手受託建設企業・中糧(ちゅうりょう)地産は7月23日、北京市孫河郷(そんがごう)の土地を23.6億元で落札し、翌日には用地規模75,359.79平方メートル、建物面積は81,716平方メートルであると発表しました。

業界の見積もりでは、保障住宅の面積を除くと、この用地の楼面単価は1平方メートル当たり4.4万元に達し、北京で最も土地単価の高い最新“地王”になり、もとの単価2万数千元をはるかに超えています。

つまり、北京では爪ほどの土地でも4元(60円)以上するということです。

中国全体から見れば、2009年と2010年は土地価格の高騰で“地王年”と呼ばれましたが、2013年とは比べものになりません。

価格だけでなく、数の上でも大きな差があります。

北京市の土地面積は1万6410.54平方キロメートルです。

今年上半期の土地平均価格は1平方メートル当たり8167元でした。

もし、北京市の土地を全て売り物にしたら、134兆元になり、アメリカの1年間のGDPをはるかに超える額になります。

米サウスカロライナ大学の謝田(しゃでん)教授は、「この様なでたらめな事を招いた原因は、少なくとも2つあります。一つは政府の継続的で、むやみな貨幣増刷が深刻なインフレを起こしています。これは土地価格と不動産価格を急速に高騰させた表面的原因です」と説明しています。

さらに、「この奇妙な現象の裏にある原因は、中国共産党の権力グループが土地バブル、インフレーションを利用して中国民衆の財産を巻き上げているからだ」と指摘しています。

実際、「中国経済週刊」傘下のシンクタンク・中国経済研究院の研究結果を見ると、今年の49の地王のうち、半数近くが中央企業をバックに持つ不動産会社の手に渡っています。

経済コラムニストの段紹訳さんは次のように述べています。

「それらは名義上の企業で、実際は政府の一部門に相当します。米国の著名コラムニスト、トーマス・フリードマン氏の言い方に従えば、国有企業の投資は他人の金を使い、他人のために動くので、効果も節約も重んじません」

世界最大の空売り筋として有名な米国ヘッジファンド「キニコス・アソシエイツ」設立者であるジェームズ・チャノス(James S. Chanos)氏は先日、日本メディアの取材を受けた際、中国の今の不動産ブームは1980年代後期の日本と酷似しており、巨大な不動産バブルは必ず歴史に残り、中国の実体経済と金融システムに対し大きな打撃を与えるだろうと述べています。

チャノス氏は、建設コストから判断すると、中国不動産市場の価値はすでにGDPの300%から400%にまで上昇していると推測します。

一方、1989年の日本のこの割合は375%でした。

経済コラムニストの段(だん)さんは、「中国の不動産バブルは非常に深刻で、この先2年のうちにこのバブルは崩壊するでしょう」 「当局は人為的な市場への介入、土地の独占などで大きな利益を得ているものの、これは持続しないものであり、一旦バブルが崩壊すれば不動産投資家の資本は戻らない」と考えています。

8月27日付けのジャパニーズ・ビジネス・ネットワーク(JBN)の記事では、「ゴーストタウンは遅かれ早かれ中国において大規模に出現し、しかも地方政府が開発時に正しい評価を行っていないため、多くの地方で不良債権が現れ、地方経済に深刻な影響を及ぼしている」と指摘しています。

謝田教授は、「中国共産党が全ての銀行、金融システムをコントロールし、民衆の貯蓄は中央企業や国有企業に流入している。すでにゴーストタウンが数十カ所も出現しているにも関わらず、未だに不動産バブルを推し進めている。実際に被害を受けているのは民衆である」と指摘しています。


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