アルゼンチンが形式上の再デフォルトに陥る懸念。トルコ・リラが過去最安値

アルゼンチン・ペソ
1月24日の外国為替市場で、トルコ・リラが過去最安値となり、南アフリカ・ランドも5年3カ月ぶりの安値を更新するなど、新興国の通貨が全面安となりました。

アルゼンチン・ペソの暴落をきっかけに、新興国経済への警戒感が広がり、新興国通貨の売り圧力が強まりました。




米国の量的金融緩和の縮小や、中国経済の減速への懸念も浮上、世界の金融市場全体に悪影響が及ぶ懸念が出てきました。

ロンドン時間午前10時30分現在、ランドが1ドル=11.1ランド台と前日終盤から1.4%下落、リラも同2.31リラ台と1%安でした。

メキシコ・ペソも同13.5ペソ台、ロシア・ルーブルも同34.4ルーブル台とともに1%前後下落しました。

今年に入ってからの下落率はトルコ・リラで7.6%、南ア・ランドで6.1%になっています。

円相場も、新興国通貨の急落を背景とするリスク回避に伴い円買いが加速、一時1ドル=102円近辺と昨年12月6日以来約1カ月半ぶりの高値まで上昇しました。

この日の通貨下落の引き金になったのは、アルゼンチン・ペソの暴落です。

ペソは1月23日、外国為替市場の対ドル相場で一時約15%下げ、1日としては事実上デフォルト(債務不履行)した2002年以来最大の下げ幅となりました。

外貨準備高の減少が進んでいて、中央銀行がペソ買い支えを断念したことが影響しました。

アルゼンチンの外貨準備高は3年間で約4割減り、約295億ドル(約3兆円)。

政権はインターネットでの買い物の規制を強化するなど外貨流出防止策を続けています。

アルゼンチンでは高インフレが進んでいるほか、デフォルト後の一部債務返済について、米連邦地裁が命じた支払いを拒絶しており、形式上の再デフォルトに陥る懸念もあります。

国債デフォルトから13年が経過した中、フェルナンデス大統領には新たな危機を回避する時間はなくなりつつあります。

政府統計では昨年のインフレ率は11%弱でしたが、大統領による圧力で政府統計と相反する内容の物価統計について沈黙させられているエコノミストの予想を明らかにしている野党議員によると、28%に達したといいます。

ペソは過去2日間で13%下落し、過去最安値1ドル=7.8825ペソを付けました。

アルゼンチンの中央銀行はペソ相場の下支え策を縮小しており、過去1年間では35%余り値下がりしました。

国債デフォルト後の通貨切り下げ以来最大の急落で、世界でこれを超える通貨下落に見舞われたのは戦争で疲弊したシリアとイランだけです。

フェルナンデス大統領にとって最大の金融問題は外貨準備の減少。

外貨準備 は過去3年間で44%減少し295億ドルに落ち込みました。

国際資本市場から依然締め出されたまま、ヘッジファンド運用者ポール・シンガー氏とのデフォルト債をめぐる訴訟が続くアルゼンチンにとって、外貨準備は債務再編に応じた300億ドル相当の国債の保有者への支払いの主要財源。

他の外貨債務を合わせると、債務は500億ドルに膨らみます。

投資家はデフォルト再発の可能性に備えています。

同国のドル建て債の平均利回りは12.4%で、主要新興国ではベネズエラに次ぐ高い水準。

アルゼンチン債のデフォルトに備えるクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の取引は、向こう5年で同国の支払いが79%の確率で滞るとの見方を反映した動きとなっています。


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