年金の崩壊か?米国100万人の退職者年金がゼロになる可能性が浮上

年金削減
第2次大戦後に生まれたベビーブーマー世代が続々と退職し、年金生活者が増え続けているアメリカで、給付金額が保障されているはずの年金が支払われないケースがでてきています。




規制緩和と2001年以降の2度の株価暴落の影響で、何百万人もの人々が約束されていたはずの年金を受け取れない事態に陥るかもしれません。

年金給付を保証する事業を行う連邦政府機関である年金保証公社(PBGC)は、運用成績の悪化などで積立金不足に陥り、立て直し不可能な年金プログラムが存在すると警告。

連邦議会が数年以内に対策を講じなければ、少なくとも百万人が積み立ててきた退職者年金を受け取れなくなるとしています。

PBGCが特に問題視するのは複数事業者型退職年金です。

これは通信や鉱業、建設業といった業界内の複数の企業と労働組合の合意に基づき、共同で運営される年金プログラムで、加入者はおよそ1000万人に上ります。

企業側にとってはリスクを分散し、事務費用を抑えられるメリットがあり、従業員側も業界内で転職した際に同じ年金を継続できる点が有利でしたが、加入者の10人に1人が年金を全く受け取れない恐れがあるといいます。

ニューヨーク・タイムズ紙は、議会が11月の中間選挙前に対策を講じる可能性は低いと報じています。

さらに、「一度約束された年金は必ず支払われる」という40年前の連邦政府の約束は、もはや守られなくなるとも指摘しています。

年金受給予定者の元には既に、年金を支給できないとの通知が届き始めています。

年金が立ち行かなくなった原因の1つは労働組合員が減少し、積立の原資が減っていることにあります。

さらに2001年以降の2度の株価暴落も足を引っ張っています。

連邦議会は1974年、積み立てた年金を必ず受け取れるよう定めた「従業員退職者所得保証法(ERISA法)」を制定しましたが、2005年の法改正によって、一部の年金プログラムについては年金の存続を優先して給付を減免できることになりました。

2005年の法改正では、退職者は給付免除の対象外でした。

しかし抜本的な救済策が講じられなければ、近い将来、多くの退職者が年金なしの老後を余儀なくされそうです。


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