日銀が「量的・質的金融緩和」継続を決定

黒田日銀総裁
日本銀行は2月18日の金融政策決定会合で、世の中に出回るお金の量を2年で2倍に増やす「量的・質的金融緩和」の継続を決めました。




景気の現状については「緩やかな回復を続けており、このところ消費税率引き上げ前の駆け込み需要もみられている」との判断を維持しました。

一方、環境やエネルギーなどの成長分野に融資したり、貸出残高を増やしたりした金融機関向けの低利融資制度を、それぞれ今年4月から1年間延長するとともに、日銀から貸し出す規模も2倍に増やすことを決めました。

企業がお金を借りやすくし、一段の成長につなげる狙いがあります。

成長分野に融資する金融機関向けの資金供給は、総額を現在の3.5兆円から7兆円に増やします。

貸付金利は4年固定の0.1%とします。

また、現在は貸出残高を増やした金融機関に対し、貸し出しを増やした分について金利0.1%で資金を供給しています。

4月以降は、日銀による貸し付け規模を2倍に増やします。

日本銀行 2月18日の金融政策決定会合・声明文

当面の金融政策運営について

1.日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針を、以下のとおりとすることを決定した(全員一致)。

マネタリーベースが、年間約60〜70兆円に相当するペースで増加するよう金融市場調節を行う。

2.資産の買入れについては、以下の方針を継続する。

(1)長期国債について、保有残高が年間約50兆円に相当するペースで増加し、平均残存期間が7年程度となるよう買入れを行う。

(2)ETFおよびJ-REITについて、保有残高が、それぞれ年間約1兆円、年間約300億円に相当するぺースで増加するよう買入れを行う。

(3)CP等、社債等について、それぞれ約2.2兆円、約3.2兆円の残高を維持する。

3.近く期限の到来する「貸出増加を支援するための資金供給」と「成長基盤強化を支援するための資金供給」について、規模を2倍としたうえで、1年間延長することを決定した(全員一致)。 すなわち、「貸出増加を支援するための資金供給」については、金融機関が貸出を増加させた額の2倍まで、日本銀行から資金供給を受けられることとする。「成長基盤強化を支援するための資金供給」については、本則の総枠を3兆5千億円から7兆円に倍増する。また、両資金供給について、固定金利0.1%で4年間(現在は1〜3年間)の資金供給を受けられることとする。 日本銀行としては、こうした見直しが貸出増加や成長基盤の強化に向け、金融機関の一段と積極的な行動や企業・家計の前向きな資金需要の増加を促すことを期待している。

4. 被災地金融機関を支援するための資金供給オペレーションおよび被災地企業等にかかる担保要件の緩和措置について、1年間延長することを決定した(全員一致)。

5.わが国の景気は、緩やかな回復を続けており、このところ消費税率引き上げ前の駆け込み需要もみられている。海外経済は、一部になお緩慢さを残しているが、先進国を中心に回復しつつある。そうしたもとで、輸出は持ち直し傾向にある。設備投資は、企業収益が改善するなかで、持ち直している。公共投資は増加を続けている。雇用・所得環境が改善するもとで、引き続き住宅投資は増加し、個人消費は底堅く推移しており、これらの分野では消費税率引き上げ前の駆け込み需要もみられている。以上の内外需要を反映して、鉱工業生産は緩やかに増加している。この間、わが国の金融環境は、緩和した状態にある。物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、1%台前半となっている。予想物価上昇率は、全体として上昇しているとみられる。

6.先行きのわが国経済については、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要とその反動の影響を受けつつも、基調的には緩やかな回復を続けていくとみられる。消費者物価の前年比は、消費税率引き上げの直接的な影響を除いたベースでみて、暫くの間、1%台前半で推移するとみられる。

7.リスク要因としては、新興国・資源国経済の動向、欧州債務問題の今後の展開、米国経済の回復ペースなどが挙げられる(注1)。

8.日本銀行は、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「量的・質的金融緩和」を継続する。その際、経済・物価情勢について上下双方向のリスク要因を点検し、必要な調整を行う(注2)。 このような金融政策運営は、実体経済や金融市場における前向きな動きを後押しするとともに、予想物価上昇率を上昇させ、日本経済を、15年近く続いたデフレからの脱却に導くものと考えている。

以上

(注1)白井委員は、国内の雇用・所得環境の改善ペースにも言及すべきであるとして、7.の記述に反対した。(注2)木内委員より 、2%の「物価安定の目標」の実現は中長期的に目指すとしたうえで、「量的・質的金融緩和」を2年間程度の集中対応措置と位置付けるとの議案が提出され、反対多数で否決された。(賛成:木内委員、反対:黒田委員、岩田委員、中曽委員、宮尾委員、森本委員、白井委員、石田委員、佐藤委員)


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