株安・円高相場は新興国不安よりも投機筋がアベノミクスに飽きたことが原因かも

アベノミクス
安倍晋三首相が1月22日にダボスでヘッジファンドのジョージ・ソロス氏と会ったとき突っ込まれていたとの情報があります。




その日を境に、ヘッジファンドの円買い・日本株売りのプログラム売買が急速に回転し始めましたので、ソロス氏の名をかたり、巧みな情報操作がまかり通っているのかもしれませんが「ソロス氏が日本株を売り仕掛けている」との噂が流れました。

1月23日の東京外為市場で円は1ドル=104円50銭で取引が始まりながら、一時102円93銭まで買い上げられ、翌日の24日には一時101円98銭の今年最高値まで跳ね上がりました。
 
1月22日に1万6000円台目前だった日経平均株価も、23日からほぼ一本調子で下げました。

日経平均

先週末の金曜日は反発しましたが終値は1万4462円と半月で10%もの下落となりました。

米国株も欧州株も同期間に5%しか下げていませんので日本を標的にした売りが発生したのは間違いありません。

今回の株安・円高相場は新興国不安と捉えがちですが、実はアベノミクス売りの始まりである可能性も否定できません。

背景には、ヘッジファンドや投機筋がアベノミクスに飽き、先行きに懐疑的な現実があります。

第3の矢といわれる成長戦略に見るべきほどのものがなく、海外投資家の間で「安倍首相はリフォーマー(改革者)」との見方は後退しました。

むしろ、東アジアでの地政学リスクを高めかねない人とのイメージがダボスでも広がりました。

中国の広報戦略が功を奏している面もありますが、靖国神社への参拝の余波が広がっている格好で、海外投資家の警戒感が増しています。

アベノミクスに乗ろうと、円売り・日本株買いに続々参入していた1年前とは大きな違いです。

海外投資家にとって1月22日は追加緩和への期待が急速に後退した日でもあります。

同日の金融政策決定会合後に記者会見した黒田東彦日銀総裁は、消費者物価は2014年度末、2%程度に向けて着実に上がっていくと繰り返しました。

海外では、「追加緩和は無しでも目標を達成できる」と語ったと受け取られています。
 
黒田東彦日銀総裁の発言は次の内容でした。

「(円安による)エネルギー価格の押し上げが(今後)小さくなるが、需給がタイトになり幅広く価格が上がる面もある。それが綱引きとなって半年ぐらいは現状程度の1%台前半の消費者物価上昇率が続くが、その後は需給タイトによって物価が上昇していく」

半年以上先までかなりの自信を持って消費者物価指数(CPI)を見通し、順調と発言。

2年で2%の目標は達成できると強く訴えていて、追加緩和に否定的と受け取られています。

とりわけ海外では、日銀は当面は追加緩和することはないとの見方が増えています。

ヘッジファンドの間では、「緩和見送りで円高」のシナリオを描き、資金が動いたところがいくつかあったようです。

2008年9月のリーマン・ショック以来、円、ドル、ユーロは中央銀行の量的な緩和姿勢の強弱を反映して動く傾向が出ています。

アベノミクスに基づく異次元緩和によって円安が進行したのが典型な例です。

昨年後半にユーロが強かったのも、欧州中央銀行が欧州債務危機への対応で増やした緊急貸し出しを落とし始めていたからと分析する人が少なくありません。

要するに「量的緩和に積極的な中銀の通貨は下がり、消極的な中銀の通貨は上がる」というセオリーです。

経済学的な因果関係は説明されていませんが、市場参加者の間に根強い考えで、実際の相場との相関関係も無視できません。

代表的な論者はソロス氏で、「日銀のベースマネーと円安には相関関係が強い」とチャートを使って説明したことから、俗にソロス・チャートといわれています。

為替関係のヘッジファンドが「緩和見送りなら円買い」と動いたのも底流にはこの考え方があるからです。

 「ソロスが日本売り」の情報に振り回された先週ですが、先週末の株式反発で一服感もあります。

今週はやはり開幕したソチ五輪が材料でしょうか。

足元では持ち直しているものの、今年に入ってから、ロシアルーブルは対ドルで7%も下がっています。

国際マネーがロシアにリスクを感じているといえるでしょう。


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