2014年に心配な海外の政治的リスク トップテン

リスク
地政学的問題が非常に大きな変動を見せています。

中心的な役割を果たす国が不在の世界情勢が、ますます浮き彫りとなっています。

以下に、2014年の政治リスクのトップ10を1位から順に挙げました。




友好国が離れていく危機に瀕する米国

中東政策のつまずき、スノーデン容疑者問題、議会の機能不全などにより、米国の外交政策は国際社会にますます理解されにくくなっています。

安全保障面では、米国の最友好国であるイスラエル、英国、日本にとって選択肢はほとんどありませんが、ドイツやフランス、トルコ、サウジアラビア、ブラジルにはそれは当てはまりません。

こうした国々は米国との緊密過ぎる関係を避け、米国発の問題が自分たちに波及するのを防ぐため、世界での立ち位置を変え始めるでしょう。

新興国の反政府デモ

新興国を代表する6カ国、ブラジル、コロンビア、インド、インドネシア、南アフリカ、そしてトルコでは、選挙が問題になるでしょう。

こうした国々では、経済成長の鈍化と新たに生まれた中間層からの要求が、不透明な政局を生み出しそうです。

ブラジルやトルコ、コロンビア、ロシア、ウクライナで最近行われた反政府デモは、市民の不満が抗議行動に直結する可能性を浮き彫りにしました。

習近平が進める改革への不満で弱体化する中国

習近平国家主席を中心とする中国の指導部は、過去20年では見たことないほどの広範囲な改革を掲げました。

しかし、実行には大変な政治的試練が待ち構えていて、失敗すれば改革どころか指導部そのものが弱体化する可能性があります。

あまりに多くの改革を焦ってやり過ぎれば、既得権益を手放したくない共産党内部からも反発が出てくるかもしれません。

一方、改革の成果が少なすぎれば、国民の不満が噴出することになりかねません。

イラン核問題をめぐる交渉

イラン核プログラムの進行、制裁によるイラン経済への壊滅的な影響、昨年6月の大統領選でのロウハニ師の劇的な勝利は、イランと西側の核協議での包括的合意に向けた道を開きました。

イラン核問題はさらに進展すると予想されますが、仮に交渉が不調に終われば、軍事行動のリスクが高まります。

どちらにしても、イラン核問題をめぐる交渉は、今年が本当の正念場となります。

シェール革命による石油産油国への影響

従来型とは異なるエネルギー革命(シェール革命)は重要な地政学的影響を持ちますが、過去数年は産油国への影響は限られていました。

2014年は、生産量の一段の拡大、原油価格の下落圧力、産油国間の競争激化によって、ロシアやナイジェリア、ベネズエラ、サウジアラビアなど石油大国が打撃を受けることになるでしょう。

戦略的データへのサイバー攻撃

国家の果たす役割が増すにつれ、ボトムアップ型のオープンソース分野のインターネットとその管理方法は、トップダウン型の戦略的分野に変わりつつあります。

2014年はその傾向がさらに加速することになるでしょう。

サイバー攻撃も受けやすくなっていて、企業のインターネット管理コストは増しています。

スンニ派過激組織とアルカイダ系グループの台頭

アラブ世界の混乱は、スンニ派過激組織とアルカイダ系グループが再び台頭することを許し、シリアの内戦はイスラム聖戦主義者を引きつける強力な磁石になっています。

米国本土は9.11同時多発攻撃の後に比べれば安全ですが、中東や北アフリカでは、現地政府や西側機関は今や彼らの格好のターゲットとなっていて、危険が高まっています。

中東情勢の混迷の度合いが拡大

中東情勢は過去3年の混乱を経て、一段と混迷の度合いを深めそうです。

2014年は、イラク政府に対するイランからの影響力が強まるのに伴い、イラクでの治安が急激に悪化すると予想されます。

また、米国の中東政策をめぐる混乱、イランの核開発問題、アルカイダの脅威、エジプトとチュニジアの政情不安なども、中東を一段と不安定化させる恐れがあります。

ロシア政府

プーチン大統領は依然として、世界で最も重要な国の1つで唯一の最高権力者として君臨し続けています。

しかし、国民からの支持は著しく低下していて、原油に過度に依存するロシア経済は停滞しています。

これによって、ロシア情勢の予測はかなり難しくなっています。

ただ、それでもなおプーチン大統領は自身が望む政策を実行できます。

2014年のロシアは不測の事態を見込んでおくべきでしょう。

トルコ

新興国の中では2014年、トルコが特に不安定な存在です。

隣国シリアの内戦から波及する問題のほか、クルド系反政府組織の勢力拡大、エルドアン首相に対する国民の反発を契機に強まった政情不安を抱えています。

エルドアン首相は自身の政党の内外で反対勢力を厳しく非難していて、2015年に予定されている次の総選挙が前倒しされる可能性があります。


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